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そして、一人の少女を指差した。
いや、指ではないか、前足指す?
よく見てみれば確かに苦笑いのような表情、その格好などに見覚えがある。
名前は忘れたけど……。
「あの……購買ってどっち?」
「あっちだよ」
少女に示された先はさっき歩いてきた廊下でそう遠くないところに行き止まり。
下へ行く階段なんてないはずだ。
校舎内でも迷うわたしだって流石にそれくらいはおぼえてる。
「明らかにちがうから……」
「……てへっ☆」
困ったような目でわたしをみてから少女はそう言って笑った。
あ、……思い出した。
その言葉はこの少女、いや正確には少年が誤魔化すときに使う言葉。
可愛らしい見た目してるのに男なんだよね……性別聞いたことはないけど。
何でわかるかっていうとあの……なんだっけ?碧と霧って字がつく書記さん。
もう碧霧さんでいいや……んーでも、明らかにちがうから書記さんのほうがいいのかな。
まあ、あの書記さんが普通に話してたから。
どうしてだかしらないけど、書記さんにはどんなにうまく変装していても男子と女子を見抜くという特技があるようで、女子が苦手みたいだから態度でどっちと話してるかもわかる。
この子との話し方は男子に対するそれ。
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