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「高熱だったってこともあるし、まだ反応が出ないタイプの可能性もゼロじゃないんだ。ごめんよ、智博」
「ふぇ~……そうなの?でも、立ったり歩いても大丈夫?」
「うん、頓服薬を服用したから、かなり今は楽になってるよ。昨夜から昼前ごろまでがきつかったけどね」
それを聞いて、智博の顔がホッとした表情になった。
「お粥もすごく美味しかった。熱が下がって楽になってから、父さんに温めてもらって食べたんだ」
「親父に?大丈夫だった?高温すぎだったんじゃ」
ギロッと智博は美智雄を見たが、美智雄は『少しは信用しろ』と苦笑いする。
「今度、治ったら作り方教えて」
「うん、いいよ。これはやっぱり、親父の温め方が良かったおかげだな?なかなかやるなあ」
悪戯っ子な目をして、智博は美智雄を見て笑う。
ほら、美智雄。
智博だって、ちゃんと認めてる。
俺達家族にとって、美智雄は大きな存在なんだ。
~おわりんご~
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