私の願い

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ーーーー 「お疲れさまー」 [お疲れさまです!]  ついに待ちに待った定時。トオルはすぐに支度を整え会社を後にする。 「早めについちゃうけど、それをいいか」  会社の最寄りの新宿駅から公園の最寄りまでは約三十分。約束は六時半なので一時間弱余ることになるが、あの公園で待つならば。いや、そしてあの人を待つならば一時間なんて苦にはならない。  そう思いながらトオルは改札を通り抜けーーーーようとした時 ドンッッ!!  辺りに突如ーー巨大な破裂音のような、とても大きなものが地面とぶつかるような、とんでもない衝撃音が響き渡った。その振動でついよろめく。  必然に、周りから悲鳴や驚きの声も上がる。 バンッッ!!!! 「……!?!?」  次にトオルが入ろうとしていた駅構内からものすごい音とこげたような臭いが立ちこめる。  で、電車が爆発した!!という声が駅内から聞こえる。……電車が爆発?この日本で? 「……ど、どういうこと?なんなの…………きゃっ!」  何が起きているのか理解できず立ち尽くしていると、中から出てきた男と肩をぶつけた。男は振り向かず一心不乱に逃げる。いや、この男だけではない周りの人間全員が駅から遠く離れようと走っている。  理由や原因は分からないが、それでもここがいま危険というのは誰にでも分かる。 「……あ、歩きで向かわなきゃ……」  いつの間にか上がっている煙り、鳴り響く警報。ただただ逃げ惑う人々。今の状況に頭がついていかないが、ただ一つ電車を使えなくなったということを理解したトオルは、赤井に会うために歩いて公園へ向かうことにした。それしか頭になかった。  幸い、公園までは一時間半ほど掛かってしまうが新宿通りをほぼまっすぐ、そこから右方向に曲がってまた真っ直ぐと複雑ではない。靴を外回り用の低いものに履き替えると、直ぐに公園へ向かった。
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