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「ありゃあ、隔壁か!?
野郎、此処まで来る間の壁をぶち抜くついでに吸収してやがったなぁッ!?」
アラートが網膜に表示され、敵を示す
短い舌打ちと共に、ライフルを天上に構えた
「んなろおぉぉおおおッ!!」
「おおおおおおおおッ!!」
二人の叫びが重なり、クトゥヴァは再び発射する
同時にフォンは左手から隔壁の一部分を放出
鈍い音と共に隔壁が拉げ、落ちていく
―――警告 AMライフルの砲身、排熱不足により危険域
「ちっ…まだまだぁッ!!」
警告を無視して三度目の射撃
「…何ッ!?」
「……へっ」
当然の結果として砲身は限界を迎え赤熱で煙と火花を散らしながら使い物にならなくなった。
しかしクトゥヴァは嗤う
最後の一撃は隔壁を貫通してそのままフォンをも貫いたからだ
体勢を崩したフォンはそのまま床に落下し、直ぐには起き上がれない
「貰ったあッ!」
勝機と見たクトゥヴァは今や灼熱の輝く格闘武器へと化した右腕をフォンに突き立てようと飛び上がる
「ッ!!」
ギリギリ動けるようになったフォンは横に身体を捻り突きを躱す
脇腹近くの床を溶かすように砕いたライフルに、彼も冷や汗を隠せない
「チッ…うおっ!?」
「ハッ!」
体勢を立て直すべくフォンはクトゥヴァの足を払い、彼女が蹌踉めいた隙に自分はジャックナイフで離れて立ち上がった。
―――危険! 極秘研究施設No.422 自爆迄1分を切りました!
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