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遂に訪れようとする瞬間の為に、周りのモニターも、クトゥヴァの網膜に映し出されたカウンターも黄色から赤い画面になり、高速で減っていくカウントが50を切った。
最早一刻の猶予もない、いや、脱出すら不可能だ
だが、それすらも二人は意に介さず、互いを見合っている。
「もうお終いか…楽しいダンスだったぜ? 以外と」
「ダンス…か、アイツとだったら、こんなものダンスにすらならない」
「おいおい、最期までつれねぇなぁ…ってかアイツって誰だよ?」
「……………」
早口で軽口を叩くクトゥヴァに、フォンは無表情のままでスッと右拳を引いて構えを取り、クトゥヴァも同じように構える。
「……………」
「……………」
これが最後の一撃になるとお互いにそれがわかっていた
モニターの秒数は既に20を切っている…
二人の頬を汗が流れる(クトゥヴァの場合、循環している冷却水で汗を再現しているが)
そして、カウンターが15を切ったその瞬間
「「ッ!!」」
示し合わせたかのように同時に地を蹴り、互いに貫手を放っていた。
「壊すのは」
「殺すのは」
「俺だァッ!!」
「アタシだァッ!!」
叫びと共に、二人の貫手が交差する……
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