Prologue1 「紅蓮に燃える双眸」

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けたましい警報の音と、時折大きく揺れる震動、そして非常事態を知らせる為に真っ赤に照らされた通路を、白銀の閃光が奔る 否…閃光と見紛うのは長い髪だ そしてその閃光は、人の形を成している、見た目は青年位の身長のそれはあり得ない速度を維持したまま移動している それだけでも普通ではないと感じるが、最も目を引く物があった…それからは翼が生え、休まずに羽撃いていた事だ。 それが移動する間も次々と隔壁は閉じていく このままでは閉じ込められて…いや、それどころか隔壁に激突して死んでしまうだろう 「…………」 だが、それは減速もせずに、まるで意に介さないと言うように右手を向けただけで、他に何もしない 激突する!! 見た者がいたならそう感じただろう しかし現実は違った結果を残す 隔壁は閉じたままだ だがそこに激突の衝撃もなければ、死体も血痕もない ただそこに立ち塞がるように在った 中央部に円形の孔を残したまま…奥に続く幾つもの隔壁と同じような姿で
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