Prologue2 「未来を決められた日」

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「あぁ、目が覚めたのか…何か飲むか?」 「あ、うん…えっと、ミルクでいいよ」 そう返すと、クルトは笑いながら「まだまだ子供だな」と言い、フォンは気恥ずかしげに顔を背けた。 「いいじゃん、好きなんだから」 「分かるよ、俺も昔は好きだった…ほら」 「ありがと…好きだったって、ミルク?」 カップを受け取りながら尋ねると、今度はクルトが気恥ずかしげに笑い、小さく頷いた 「心が落ち着くからな、あれは」 「昔は…って事は、今は?」 そう問い掛けるとクルトはグラスになみなみとワインを注ぎ、グラスを持ち上げ 「当然、こいつだ」 ニヤリとしてみせる父に、フォンは乾いた笑みが零れた。 「ははは…なぁ、親父」 「ん?」 「槍は…?」 恐る恐るそう聞くフォン 本当はどうなったと聞こうと思っていたのだが、駄目だろうという後ろ向きな考えから、続く言葉を飲み込んでしまったのである。 「槍か? …知りたいか?」 「う、うん…」 「槍はな…」 「…槍は?」 勿体振る父に、思わず生唾を飲み込んで鸚鵡返ししてしまう 「……合格だよ」 「駄目だよね…って、え?」 思わず落ち込んだフォンは、頭で父の言葉を冷静に思い返してまの抜けた表情で見返す、クルトはいい笑顔でフォンを見ていた。
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