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「あいつらは我儘で、気分屋で、此方の事情もお構い無しだけど…その裏はとても優しくて…」
「だから守ってやりたい?」
「………うん、多分
そうなんだと思う」
そこまで言って、フォンは気が付いた
喋らされている、と
心の自分は顔を真っ赤にしながら言うなと叫んでいるのに、口からはすらすらとその偽らざる本心が漏れていく。
「槍が欲しいって言ったのも、きっとレミィにいいところを見せたかったんだ…
あいつ、まだ短い魔力槍しか出せないから」
「ふ、まだまだお前も男の子だな」
「ぅ…うるさいよ…」
俯くその顔も、知らず知らずの内に赤くなり、上げることが出来なくなっている
これはワインのせいで赤くなったのか、それとも…
そんな事をボンヤリと思いながら更に言葉を紡ぐ
「だから、俺は…もっと大きくなって、親父からちゃんとした一撃当てられるようになったら…」
「なったら?」
そこで言葉を切る、クルトがそう聞き返しても、暫く続けるべきかどうか迷ったかのようにあーだとかうーだとか呻き、最終的に決心したのかクルトを真っ直ぐに見つめ返し
「騎士になろうと、思う」
そうはっきりと口に出した。
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