Prologue1 「紅蓮に燃える双眸」

3/14
前へ
/146ページ
次へ
隔壁と通路を抜けて飛び続けていると、通路に変化が現れた 天井や、壁から機銃やレーザー砲らしき砲台が迫り出してきたのだ。 それらは全て侵入者を排除する為の防衛システム 今まさに、その役目を果たさんと銃口を飛び続ける者へ向け、一斉に銃火を吹く 「……………」 だが、雨のように降り注ぐ弾丸とレーザーの中を複雑な軌道で躱し、剰え態と誤射を引き起こすように飛んで防衛システムを減らして進む侵入者にとって、それらは意味の無い物のようにあしらわられていた。 そうして暫く弾幕の雨を避けつつ漸く通路を突破すると、とても広い部屋へと行き着いた 様々な電子機器やモニター、コンソールパネル… 着地した侵入者が踏みつけたプレートにはメインルームと彫られていた 「………………」 侵入者は何かを探すように辺りを見渡すと、1つの大人一人入りそうな大きな筒状の水槽を見つけ、小走りで近付く 水槽の下部には『キーア・シュヴァイツァー』と金属プレートが彫られ、中は…空だった 「ッ!!」 侵入者が食い縛り、拳は強く握り締められ、血が流れていく そんな拳も気にせず、水槽を殴り付けて叩き割る そんな部屋に 「おや、捜し物が見つからないか?」 女の声が響いた
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

86人が本棚に入れています
本棚に追加