Prologue2 「未来を決められた日」

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「しかし槍ね… 見事に先越されたわ」 「悔しい? 悔しいか?」 「黙りなさい犬耳」 呟きながら紅茶を飲むレミリアをそう煽るフォンは、普段とは逆の立場に自然と態度も大きくなっていた そして平然そうに見えたレミリアだったが、彼の態度にカチンとし、その頭をぺしりと叩くと、鼻息荒く何時かフォンの家で見せた時よりも長くなった魔槍を現出させた 「ふん、私だって今はこれくらい出せるの……見てなさい、そう遠くない内に立派なスピアにしてみせるんだから」 「はいはい…ってて… てか犬耳は関係ないだろ!?」 「だったら貴方の左右の癖っ毛をなんとかなさい」 「ぐぅっ…」 息巻く彼女に、意外と痛かったのか頭を擦るフォンは投げやりな態度で反論するが、即座にレミリアに返され今度こそぐうの音も出なくなった。 そんなやり取りを見ていたフランは、ある事に気が付いたのか疑問をフォンにぶつけた 「そういえばお兄様、キーアは? 一緒じゃないの?」 「ん? あぁ、キーアは家だよ 今日は母さんの家事を手伝う約束だったそうだ」 「そっかぁ…」 紅魔館に行くと言った時、キーアはこっそり着いて行こうとしていたのだが、リムスに見つかり抱き抱えられて家に戻って行った その際のキーアの泣きそうな様子で瞳を潤ませながら、フォンに行ってらっしゃいと言いながらされるがままに家に戻って行く姿は、流石のフォンも同情した。
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