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「一緒に遊びたかったんだけどなぁ…」
しょんぼりとテーブルに突っ伏すフランを見て、フォンは「とにかく」と、話題を切り替える事にした
「槍が手に入ったら、俺の夢に一歩前進…って訳だ」
「あら意外、貴方にも夢なんてあったのね」
「…お前本当に失礼だよな」
「で? 夢ってなによ」
ジト目で睨むフォンを華麗に無視したレミリアは、さっさと言いなさいとそう急かす
まだ少し納得のいかない表情をしていた彼は何時もの事と仕方なく諦め、自らが目指す夢を語る事にした。
「…騎士になるんだよ」
「え?」
「だ、だから…騎士に、なる」
ぽかんと呆気にとられるレミリア
その反応に気恥ずかしくなったのか、少し顔を背けてもう一度繰り返すように呟く
「…くっ…あははははっ!
騎士に? アンタが?」
「ほ、本気なんだぞ!?」
からかうように笑いだし、仕舞いには笑いすぎて少し涙も見える
「だからあんまり言いたくなかった」と、少し後悔しながら紅茶を飲もうとすると
「アハハ…はぁ…
まぁ、いいんじゃないの?」
「何?」
涙を拭い、まだ少し笑いかけていたレミリアはそう答える
フォンは口にカップを運ぶ手を止め、思わず彼女を見返した。
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