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「まぁ、なんだ…主は…
その、まだ考えてないんだ…アハハ…」
殆ど引きつり気味に苦し紛れな答えを返すと、フランは「え~」と詰まらないといった顔をしながらぼやいて机に顎を乗せる。
何とか上手く誤魔化した、少なくともその時はそう思いフォンは内心ホッとしていたのだが…
「嘘ね」
「なッ!?」
予想外にもレミリアが即座に彼の言い分を切り捨てた
先程は直ぐにそっぽを向いていたのに、今は何かに苛立ったようすでフォンを睨み付けている。
「私、嘘をつかれるのキライなの…知らない筈はないわよね、フォン」
「えー!? 嘘だったのー!?」
「う、嘘だなんて…
な、何を証拠にそんな事!!」
ガッカリから一転、再び生き生きとしだしたフランに反応する余裕はなかった
何とかしなければ…
それだけを考えて精一杯の強がりで足掻こうとするも、その態度で余計に墓穴を掘ったらしく、レミリアはより確信を強め、一層強く睨みテーブルから身を乗り出し向かいのフォンの顔をまじまじと見詰める。
「証拠? ハッ、アンタは気が付いてないだろうから言ってやるわ
アンタ嘘つくと直ぐに身体に出るのよ
わっかりやすい仕草でねぇ!」
「なぁッ……」
それはフォンからしてみれば初耳の事だった、直ぐに何か共通する仕草をしていただろうかと自分の今までを思い返そうとして、やめる
何故なら今まで言われるまで気が付かなかった事を、そんな直ぐにわかる筈がなかったからだった。
完全にパニックになったフォンはあたふたと慌てふためき、そして
「はぁ…マジかよ…」
きれいさっぱり足掻く事を諦めた。
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