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声のする方へ顔を向けると、向かい側、二階部分の手すりに座る女の姿があった
栗色のショートヘアーに、所々柔肌をさらけ出したボディスーツ、これだけでここの職員ではなさそうだが、特異なのは、明らかに自身以上の大型ブレードを背負い、平然としている事か。
侵入者は彼女を認めると、直ぐ様飛び掛かり、いつの間にか手にしていた剣で斬り付けていた
「No.10、クトゥヴァ・トゥか…
キーアは…何処だ…?」
対するクトゥヴァと呼ばれた女は
「おいおいそんなにがっつくなよ…いい男が台無しだぜ? 復讐鬼…いや…」
背負ったブレードを掴みその腹で受け止め、バットでボールを打ち返すように薙いで弾くと、手すりに仁王立ちになり、挑戦的な瞳を向けた
「フォン・シュヴァイツァー?」
フォンと呼ばれた侵入者は、口を切った血を吐き出すと、折れた剣をあっさりと投げ捨てクトゥヴァを睨み付けた。
「あんたとは180年ぶりじゃねぇか、先ずは会話を楽しもうぜ?
こんないい女が相手なんだから、さ!!」
「ッ…!」
言葉とは裏腹に、今度はクトゥヴァが叩き付けるようにブレードを扱う
しかしフォンの方もやはりいつ出したか分からない蒼く輝く槍で受け止めている
そしてフォンは血を吐き出すような声で、再び問い掛けた
「答えろクトゥヴァ!!
キーアは…何処だァッ!?」
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