Prologue1 「紅蓮に燃える双眸」

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問い掛けられたクトゥヴァは溜め息をつくと、フォンから離れて構えを解いた 「はぁ…前回もそれしか言わなかったよなぁ…お前 なぁ、いい加減諦めねぇ?」 「ふ…巫山戯るな…巫山戯るなよッ!! 俺から大切なモノを三つも奪っておいて、よくもそんな事をほざいたなァッ!!」 飄々とした態度に怒ったフォンは、槍を構え突撃の姿勢を取る 「すまない」 「…何?」 が、突然の謝罪に困惑し、構えを解いた 心底すまなそうな顔をしたクトゥヴァはブレードを床に突き刺しそれに寄り掛かると口を開く 「正直に言うとさ、マジでもう"この世界"にいないんだわ、皆さ」 「やはりまた、間に合わなかったか…」 悔しげに俯くフォンを見ながら、クトゥヴァは言葉を続ける 「此処で生まれた新しい兄妹と一緒に、次の世界に跳んじまったよ、お前の妹は」 「なっ…貴様等、またT-ナンバーを造ったのか!?」 「今度のはかなり異色な兄妹だぜぇ? 特にお前が見たらさぞかしたまげるだろうさ、色んな意味でな」 それはどういう…とフォンが問い掛けようとするが、クトゥヴァはさて、と言葉を切り、唐突に床を踏み抜いた。 すると今までとは違った警報音と、あらゆるモニターの全てに危険を表す表示と、カウントダウンのようなウィンドゥが現れる 表示された時間は…10分 「なっ!?」 「おいおい何でこのアタシが親切に説明してやってたと思ってんだ…?」 呆れたような声色でブレードを担ぎながらフォンに笑いかけ 「テメェを此処で仕留めるんだよ、今度こそ、完璧にな」 言うが早いがブレードを叩き付けてその反動で躯を浮かせ、フォンに向けて落下した。
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