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A国はお祭り騒ぎだった。B国の中枢が破壊されたことで、戦争が不可能になりB国は降伏してきたのだ。
人は歌い踊った。長い戦争がA国の勝利という形で終わったからだ。
しかし、誰一人として、A国を勝利へと導いた単身、B国に侵入し自爆した青年のことを讃えなかった。仲間も上官も、青年を育てた孤児院でさえ。
その代わり、こんな会話をしていた。
「それにしても、実にうまくいきましたね。将軍」
「ああ。さすがは、B国の子供だ。赤ん坊の時に誘拐して、我が国の軍人として育てあげ、祖国であるB国で自爆させる。少々、時間は掛かったがな・・・」
将軍は口元を悪魔のように憎たらしく吊り上げながら豪快に笑うのだった。
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