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『ねぇ、聞いてるの??』
『ん?なんだっけ』
テーブルの向かいでは彼女‥になるのかな
いつきが、アイスコーヒーをクルクルとストローで回している。
僕は、大学の授業が終わり
構内の学食で、いつきと二人でお茶をしていた。
いつきはおもむろに立ち上がると
『ほらね?聞いてない。もう、良いや。バイバイ』
『あ…ちょっと待ってよ!』
手を伸ばし止めようとする僕を、蔑んだ目で見下ろす。
『バイトが忙しくて。でしょ?毎回毎回それ。バイトだけ頑張って』
『待てって!』
僕は立ち去ろうとする、いつきの左手を掴む
ピシャン!
乾いた音が、学食に響くと共に僕の左頬に痛みが走る。
『あーあ。見た目通り、女々しいのね。貴方それでも男なの?』
いつきは、僕を叩いた右手をヒラヒラと払いながら、学食を出て行った。
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