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ボーイズクラブ『アバンチュール』
俗に言うウリセンバー。
男性に買われて行くのが僕の仕事。
はっきり言ってしまえば、咥えるだけなんで、別にね。
ツバを飲み込まなきゃ良いだけなんだし。
それ以上の事は、しないし断れるし。
『…………』
マネージャーの千里がテーブルでセットしながら、受話器を肩で挟み
手だけ向けての18時の挨拶。
『おはようございます』
千里の後ろを交わし、電話が終わったのを見計らい
一応家賃の為の仕事に出たい旨を伝える。
『の?マジっすか。つか、独りでデリ出しても良い?
華奢でサラサラヘアの中性的っぽいって、銀河行けるよね、つか銀河の事だな。行ってら』
今電話しながら取っていた、メモを渡される
『良いんですか?』
『ウチから何人か出てるけど、今までは基本サービスしなくても良い客なんだわ。
でも、銀河は喋り苦手じゃん?』
千里は腕を組んで考えてる。
『考えても、しゃーねーな。行ってら。これもタイミングだ。』
ふうん、とメモに目を落とす。
客の名前は千冬さんね。
え、個人宅?少し不安だけど
『行って来ます』
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