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銀色の恐ろしげなものが、そう言いすてると、ユリちゃんの目の前の空間がグニャリとゆがみ、銀色の恐ろしげなものは、姿をけしてしまいました。
「ユリちゃん、がんばってな!わしは、いつもユリちゃんのみかただぞ!」
ブロック塀の口はそう言って消えていきました。
いつの間にか風はやみ、雨もあがり、雲間から青空が見え、お日様が顔をのぞかせています。
お日様はユリちゃんをニコニコしながら見つめ、
「大丈夫さ」
と、言いました。ユリちゃんは、傘をたたみながら、お日様をまぶしそうに見あげ、
「そうね!」
と、力強く言いました。
辺りには午後の眠たげな空気がただよっています。もうすぐ、夏がやってくるようでした。
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