エピローグ

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ずっと、確かめたかった。 だけど勇気がなくて 初恋は初恋のまま クソみたいな最悪の思い出にはフタをして ずるずると時間だけが過ぎて ――6年。 「なに、まだ引きずってんの?」 「そっちこそ、どうなの」 くだらない駆け引きなど。 腹の探り合いなど。 もう、今さら どうでもいい。 「あのさ、俺が今日ここに来たのって」 からかう口調を改めて身体を向けると 桐谷も、少しだけ姿勢を正す。 「一応、ちゃんと目的があったんだけど」 「……ふうん?」 先を促すように相槌を打った、彼女は 多分もう、俺を 俺が言いたいことを 理解、していた。
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