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可愛い、だけじゃ気持ちが留まらなくなったのは、いつだったか。
中3になり、運よく彼女が担任になり。
差し迫る受験と、俺のうだつの上がらない成績に
彼女は少し――、かなり、焦っていたように思う。
当の本人は、まるで他人事だと言うのにな。
似たような落ちこぼれを集めて、夏休みを潰して補講が行われた。
英語だけじゃなく他の教科も合わせてだ。
教員は有志のみ。
麻里子を含め、若手の教師3名体制だった。
麻里子だけを見ていた俺が。
麻里子の視線が辿る先に気が付くのに、
そう時間はかからなかった。
その時初めて年の差を知り
立場の違いを知り
唇を噛んだ――15歳の、夏。
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