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「社長。やっぱり、見つかりました」
三人が病院に搬送されたあと、操縦席の片隅に置かれていた箱を社員が発見して社長のところまで運んできた。開けてみると、案の定、箱の中には鉱石が詰められていた。
「やっぱり、今回も勝手にくすねようとしたか・・・」
「欲望というのは、いつの時代も常に付きまとうものですからね、仕方がありませんよ」
「酒の中に薬を混ぜておかなかったら、きっと、三人はこの鉱石を持ち逃げしていたことだろうな」
「ええ。私がつくった薬ですから。普段は問題ありませんが、宇宙船内の空気に触れることで幻覚作用を発揮します。飲み続ければ、地球に来た頃には発狂しきってますよ。もっとも、すぐに治るものですが」
「そうだな。ところで、前から聞こうと思っていたのだが、いったい、どんな幻覚を見せる効果があるんだ」
「乗っている相手と口論になり、殺す幻覚ですよ。これなら、正気に戻っても容易に喋ろうとはしないでしょう。殺人を犯したなんて。規則を破って酒を飲んだり、鉱石をくすねようとする小心者には言いたくもない重罪ですから」
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