第1話

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医師たちが話している 「信じられると思うかね?」 「いえ…こんなことがあるなんて…」 「子供が出産する際に母体が死ぬ…そのような遺伝子が組み込まれてるなんてことがあるなんて…」 「最初に生まれてくる子供を殺すことでしか助かる方法はない…そういった遺伝子を持つ家系があるということでしょうか…しかも女性しか宿さないらしい」 「うむ…現時点ではまだ何も言えないが…このことが世間に見つかると大変な問題になるぞ」 「はい…」 「胎児が成長していくに連れて悪性のウイルスのようなものが母体の体内に流れる…そのウイルスは母体を死に至らしめる…」 「対抗策はありませんか?」 「それにはウイルスに対して免疫が必要でその免疫をつけるには…」 「つけるには?」 「初産の胎児を堕胎させるしかない…」 「一度堕胎させてしまえば、抗体がつくということなのでしょうか?」 「おそらくな…」 「この子は成長すればいずれ…」 医師たちの話し合いは続く ミサキに課せられた宿命はあまりにも残酷なものだったのだ… そして生まれてくる子供はどちらを選択するのだろうか?
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