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古びた外灯の下にさしかかったとき、白い光が目の前をすぎていった。
12月のはじめ。この年の初雪だった。
外灯の下に立ちつくし、自分は空を見上げた。
雲すら見えぬ闇夜から、花びら散るようにゆらめき雪は落ちてくる。
「雪か。あの頃とおなじ季節が来たのか……」
忘れているわけではないのだけれど、初雪を見るたびにある女性を思い出し、雪のなかで誓ったsceneが眼前にあるかのようによみがえるのだった。
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