29歳

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「24、25、ゆめ仕事じゃん。俺も仕事入れたから」 久しぶりに会えたファミレスで、遅めの夕食を待ちながら。 恋人の剛太が何気無い会話の中で言った一言。 付き合い初めて4年。 優芽が転職してからのクリスマスは、常に剛太任せだった。 連日の激務にどっぷり疲れて部屋に帰る。 いつでもささやかなパーティーの用意をしてくれた剛太が待っていてくれている。 クリスマスシーズンが忙しい優芽の中で、その流れは当たり前になっていた。 どんなに忙しくても剛太は、25日の夜は二人で過ごしてくれていた。 特に25日は、優芽の誕生日でもあるから、大切な日だと言ってくれていた。 いつも優芽の生き方を尊重して支えてくれる最高の彼氏。 お互いの夢を理解しあい、支えあっている。 そんな信頼関係を築いていたつもりだった。 そのせいか裏切られた気分になった。 すごく苛立ってしまった。 それが、いけなかった。
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