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「何でっ!?」
「いや~ 俺もやっと現場任せてもらーー」
「いつもみたいに休んでよぉ~ 私、困る」
笑顔で話していた剛太の顔が強張った。
1度、外に放った言葉は後戻り出来ない。
「仕事だぞ。休めるかよっ。ゆめだって24、25休めって言って休めるわけ?」
「ケーキ屋が、休めるわけ無いじゃん!」
気まずい空気が二人の間に流れていた。
剛太の顔も、みるみる不機嫌になっていく。
「この業界だって、年末は忙しいのっ。俺みたいな高卒上がりが、社員でいられるだけ奇跡なんだよ。
解って言ってんの?」
剛太は、不機嫌になると必ず学歴の話を持ち出す。
一番のコンプレックスだからだ。
「じゃあ、私がバリバリ働くよ。
今はまだ下っぱだけど、もっと頑張って、店を持てるくらいのパティシェにーー」
「もういいっ」
剛太は、注文した料理も来ていないのに立ち上がった。
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