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まさか……
「今夜の “相手” って、瞳ちゃん自身じゃないの?」
「っ、」
私がそう口にした瞬間、
「これで失礼しますっ」
と瞳ちゃんは嵐のように去って行った。
この部屋に一人取り残された私。
手の中にある、ひんやりと冷たい鍵の感触に、思わず眉を顰めるしかなかった。
まだ十代の子に、手を出すと言うの?
嘘でしょう……!
でもその事実を知ったところで、この屋敷内で発言権を持たない私に、一体何が出来ると言うのだろうか。
助けてあげたいけど、今の私に出来る事は何もない。
ごめんね。
ごめんなさい……。
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