頼まれごと

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……泣いてるの? そんなに嫌な思い出だったの? その人に傷つけられたの? でも私は、亜里沙に届いたあのたった一文の文字の中に、会った事もないその人の誠実さを感じさせられた。 もしも本当にその人が悪人ならば、あんな風には言ってこないよ。 少なくてもあの人の中では、亜里沙との事は素敵な思い出だったんだよ。 そこで突如理乃が立ち上がった。 勢いよく立ち上がったので驚いた私は、亜里沙から理乃に視線を移した。 「“どうして?” ってどうでもいいじゃんそんな事っ! アンタは黙ってデートしてくればいいでしょっ!!」 「っ!」 そんな事を言われても、デートするのは私だ。 見ず知らずの人とデートするのだから、理由ぐらい知りたいと思うのはいけない事なのだろうか?
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