余興の起首

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何度も何度も謝罪する。 けどその謝罪の言葉は、ものの数分で何処かへ消え、いつの間にか安堵感で満たされていた。 別荘へ行ける…… 男が来る保障などどこにもないはずなのに、それでも嬉しくてたまらない。 先程まで、自分のせいで誰かを傷つけたくないと思っていたくせに、 結局人間という生き物は、自分が可愛くて仕方がないモノなのだ。 ――――――――… その夜――。 屋敷中が寝静まった頃合を見計らい、ベッドから起き上がる。 寝静まったとは言っても、きっと社長は長い夜を楽しんでいるに違いない。 そんな社長の寝室へ確認しに行く勇気はなく、部屋を抜け出し、恐る恐る玄関を目指した。
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