頼まれごと

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……その瞬間。 ガッシャンッ! 亜里沙が理乃の足を引っ掛ける。 理乃はその場で派手に転んで、アイスココアを自ら被ってしまった。 「遅いのよ、この役立たずっ! 本当にトロいんだからっ!!」 そのまま亜里沙はカフェテラスを出て行ってしまった。 「理乃っ、大丈夫?」 と私は急いで、ハンカチを差し出す…… カフェテラスに居た数人の学生の視線が痛い。 でも理乃はすぐ立ち上がると強く私を睨んできた。 ……髪の毛からはアイスココアの雫がポタポタと落ちている。 「何よアンタ、田舎者の癖にっ! 亜里沙はアタシの親友なのっ! 目障りだから消えてよっ!!」 そう叫ぶと理乃もカフェテラスを飛び出していった。
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