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……そう言った絵美は私を見ていなかった。
携帯を弄っている。
「う、うん……」
「ボクはやめといた方がいいと思うけどね」
「絵美、どうして?」
「知らない! そんなの自分で考えなよ」
ガタッ!
とそのまま絵美も立ち上がって、すぐにカフェテラスを出て行ってしまった。
一人取り残された私。
呆然としていたけど我に返ったように、床のアイスココアを片す……
“やめといた方がいい”
そんなの無理だよ。
この大学で亜里沙を敵に回したら、私はまた孤独な大学生活を送る事になるんだよ?
そうなったら……あの頃の生活に逆戻りだ。
そんなの絶対嫌だ。
私は生まれ変るの!
そのためには卒業まで亜里沙の機嫌をとって、仲良しを演じるしかないの……
それしかないのよ―――。
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