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やっぱり……
そう思った私は覚悟を決めたように一歩足を踏み出した。
履きなれないヒールの高いミュールをコツコツと鳴らす……
……その瞬間、
「あ……、」
細いミュールの踵のせいで、ぐらりと前のめりになる。
転ける……っ!
「――大丈夫?」
間一髪か、転ぶ事はなかった。
……逞しい腕に受け止められたからだ。
その綺麗な指先が両肩に添えられて、顔を覗き込まれる。
あ、ヒシ型のピアス発見!
そして……自然と彼に目がいってしまう。
ビリリリッ!
一瞬、身体中に電流のようなものが走った気がした。
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