憧れの彼女

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「ねぇ名前教えてもらっていいかしら? あたし、藤沢亜里沙……」 「あっ、はいっ! 佐々木侑李ですっ」 「侑李ちゃん? 可愛らしい名前ね!」 ……そんな風に名前を褒められたのも初めてだった。 私は容姿だけじゃなく、名前もあまり好きじゃなかったから。 “ユウリ” じゃなくて、“ユリ” の方が良かった。 だって名前だけだと、男の子に間違われる事が多々あるから。 それから何かと私に声をかけてくれるようになった亜里沙。 大学の全女子の憧れの存在なのに、気さくに話しかけてくれる彼女に……私も徐々に心を開いていった。 そんな彼女は大学二年目の春から雑誌の読者モデルを始めた。 亜里沙は私にとって、友達以上に憧れの存在だ。 今度生まれ変るなら亜里沙の様になりたい……そう思わずにはいられない。
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