真由子、恭介との一夜

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考え込んでいたのは、ほんの数秒か十数秒だけだと思う。 短い沈黙のあと、「どうしようかな……」と私は呟いた。 行き先が決まらず運転手は困ったのだろう。 タクシーはいったん停止した。 「お客さん、どちらまでですか?」 運転手に訊かれ、恭介君は私の方を振り向いてサラリと言う。 「じゃあ俺の家でいい?」 「う、うん」
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