エリナ、瞬との夜空

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「それなら立ち直ったんだと思う。苦しさや無念さは、どうやって消したの?」 「特別な方法なんてないよ。少しずつ楽になってた、ってだけだと思う」 「陸上に代わる何か、生きがいを見つけたとかじゃなくて?」 「そんなの今でも見つけられる気がしない」 淡々と語る瞬君の横顔を、そっと見つめる。 ゆっくりと水割を飲む瞬君の表情は、相変わらず穏やかだけど…… すでに25才で人生を悟り切っているようにも見えた。 「瞬君はそれでいいの? 淋しくない?」
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