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「それはエリナちゃんの言う通りだと思うよ。僕だったら話さないし」
瞬君は言ったあとミネラルウォーターを飲む。
空を見ると、雲が動いて月はほとんど姿を消していた。
「そうよね。まさかこんなに広まるとは思ってなかった、って彼は弁解したけど。誰かに話すこと自体が失礼だし無神経よね」
「うーん。親しい友達に話しただけなら、彼に悪気はなかったんだろうね。悪いのは、噂を広めた友達の方かな」
「そうかもしれないけど、私は彼を許せなかったわ。二人の行為や私の身体のことまで話すなんて」
当時の怒りを思い出して声が荒くなった。
だが直後、その怒りよりも今となりに居る瞬君に対して恥ずかしさが込み上げ、私は消えてしまいたくなった。
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