51人が本棚に入れています
本棚に追加
当時の私は、彼の気持ちや言い分を聞く気になれなかった。
彼の存在や学校での噂は、無視する態度で登校するのが精一杯。
私の性格や15才という年齢では、それ以外なす術がなかった。
そして25才の今でも、私の行動が間違っていたとは思わない。
だけど、瞬君の言葉は私の心に沁み込んでくる。
カラカラに渇いた大地が、静かな霧雨を恵みとして受けるように。
「エリナちゃんの怒りやショックは当然だと思う。でも、彼の気持ちも何となく分かるんだよね」
「だけど瞬君はさっき言ったじゃない? 僕だったら話さない、って」
最初のコメントを投稿しよう!