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私は瞬君の視線に気づかないフリをして下を向いた。
「ほんとにそんなことないけど……でも、ありがとう。瞬君のおかげで、少しだけ彼を許せそう」
「なら良かった。過去に縛られてるのは辛いからね」
「うん」
「同じ生きていくなら、少しでも心穏やかに生きたいし」
私は俯いていた顔を上げて瞬君を見る。
見守るような視線を私に向けていた瞬君と目が合った。
と、そのとき――。
なぜか私の体内で突風のような衝動が沸き起こる。
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