佳代、雅紀との涙

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雅紀君が両手で挟むように、私の右手を強く握った。 私はそこへ、もう片方の左手を添える。 しっかりと重なり合う四つの手。 その上に涙のしずくがポタリと落ちた。 堪え切れずに流れ落ちた私の涙。 「佳代ちゃん、泣かないで」 「うん。ごめんね」 「俺まで泣きそうだから」 見ると、雅紀君の瞳も涙で光っているようだった。
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