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「佳代、大丈夫?」
真由子は心配そうに言いながら、私の背中を優しくさすった。
二人のおかげで、私は徐々に落ち着きを取り戻す。
「ごめんなさい、興奮しちゃって。でもホントに私は……どうしても、このお店がなくなるのは嫌で……」
落ち着いたと思ったのに、話し始めるとダメだった。
どこかが壊れてしまったみたいに支離滅裂で。
酔ったわけでもないのに、こんなふうになるのは初めてだ。
「佳代、しっかりして! 佳代の気持ちは分かるよ! でもね、事情があるんだから仕方ないでしょ? 佳代がそんなこと言ったら、雅紀君はもっと辛くなるよ。お店を手放すことは決まったんだから、そこを蒸し返すのはやめようよ!」
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