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あとに続く言葉は分からないけれど、私の緊張感は少しだけ和らいだ。
雅紀君の発した「ありがとう」に心がこもっているのを感じて、それも嬉しかった。
私は小さく頷き、次の言葉を待つ。
自分の想いは伝えたから、あとは雅紀君の気持ちを聞きたい。
「佳代ちゃん、本当にありがとう。突然こんな状況になって、今はお店のことで頭はいっぱいだけど……」
「うん」
私は雅紀君の目を見て、もう一度頷く。
「ほんと、こんな状況だから恋愛どころじゃないんだけど……俺、真由子ちゃんが好きだったんだ」
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