真由子、恭介との夜明け-2
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「ワイン、だったよね」 「だった、って?」 恭介君が不思議そうな目で私を見つめる。 「4月に来たとき。ここで赤ワインを飲んだなぁ、って思い出したの」 「そうだっけ? うん、そんな気もする」 「銀のトレイで赤ワインとナッツを出してくれたよ」 「何ヶ月も前なのに、よく覚えてるね。真由子ちゃんの記憶力、抜群!」 「普段の私は忘れっぽいよ。でも、あの夜は私にとって、特別だもん」
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