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恭介君は申し訳なさそうな顔になる。
「ごめん。あのときの俺はさ、」
「そうじゃないの!」
私は慌てて恭介君の言葉を遮った。
「謝って欲しいんじゃなくて、それだけ私は最初から好き、って伝えたかっただけなの! 私の方こそ、変なこと言ってごめんね」
「じゃあ、改めて乾杯しよう」
「うん」
恭介君が銀のトレイにワインとチーズとクラッカーを乗せて、ガラステーブルまで運ぶ。
私たちは黒いソファーに並んで座り、赤ワインで乾杯した。
4月のあのときと同じようなシーン。
でも、あのときの私たちとは確実に違う。
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