真由子、恭介との夜明け-2

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カップルの姿が視界から消えたので、私は再び会話に集中する。 「告白したときにも言ったけど、私は最初から恭介君が好きだった。行動は軽いって誤解されても仕方ないけど……好きって気持ちは、ちゃんとあったから」 「そう聞いたけど、やっぱり信じられなかったんだよね」 「そんな……」 信じられなかった、と言われてショックだった。 ひとめ惚れだけど好きになったのは本当だし、そういった私の気持ちも全部、告白したとき伝えたのに。 「ごめん。言い方、悪くて。信じられなかったわけじゃないけど、少し疑ってた。簡単に寝たことを、あとから好きって言って、美化してるんじゃないかと」 「美化とか、私、そこまで頭まわらないから! ただ好きで、一緒にいたくて、これからも会いたくて、恭介君をもっと知りたくて……。そう思ったから寝たし、告白もしたんだよ」 「ごめんな。俺、女性不信が強かったから。でも、今日の真由子ちゃんを見てたらさ……」
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