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信号が青になり、恭介君は車を走らせる。
とりあえず真っ直ぐ進んで行くみたいだ。
真夜中なので、通りに並ぶ店やビルは、ほとんどがシャッターを下ろしている。
いつもなら恭介君も私も眠っている時間。
「……決めるの大変だったら、家でもいいよ」
私は正面を向いたまま小声で言った。
「いいの?」
「夜だし、長い運転は疲れちゃうもんね。恭介君も明日は仕事だし」
「ありがと! あのさ、家って俺の家でいいんだよね? 真由子ちゃんの家まで送って欲しい、って意味じゃないよね?」
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