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Side 三宮憂――
「はぁ、面倒臭え……」
思わず、溜め息がもれる。空は朝と同じく青色で雲一つない快晴だというのに俺の心は曇天に支配されていた。理由は言わずもがな、さっきの騒動のことだ。
はぁ、とまた溜め息をつきながら取り返したイヤホンに目をやると、イヤーピースが片方なくなっていた。あの先公に飛ばされた時だろうか。ここでも音楽を聴いて本を読もうと思っていたのだがどうやらそれは叶わない願いらしい。
今からイヤーピースをとりに教室へ戻ればさっきの先公が黙ってはいないだろう。さて、困った。
うーん、と周りを見渡してみるが特に変わった所はない。なんとも田舎らしい風景で田んぼと少々のビルが建っているだけで面白くもなんともない。寝ようかとも思ったが枕もなしにコンクリで寝るのは些か抵抗がある。さて、本当にどうしよう。
考えることを放棄して、背中をコンクリに預ける。再度、ふぅと溜め息をつきながら。
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