第3話 竹内真帆編③

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 藤岡さんはまだ離婚していなかった。  私は問いかけたかった。妻と話をつけてくる、とはどういう意味か。  何故か胸騒ぎがしたのだ。  家族を失った時、その失うの意味が喪う、つまり死を意味していたのだから。  美貴奈もそうなのではないか。  藤岡さん。  まさか。まさかね。  彼が帰ったあと、私はアンケートのことが気になり、携帯からコスモポリタンのマイページへアクセスした。画面はやはりパソコンの方が見やすいのだが、今はそんなことは言っていられない。  マイページにアクセスした瞬間、私は「何これ」と呟いた。  きちんと声に出ていたかは分からないけれど。
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