第3話 竹内真帆編③

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 藤岡さんは、海の見えるホテルのレストランに連れて行ってくれた。  そのホテルにある高級レストランといえば3階にあるフレンチだったけれど、彼が案内してくれたのは1階にあるビュッフェスタイルのお店。家族連れなどもいて、ラフな格好で入っても違和感のないお店だった。それが返って、妙な緊張をほぐしてくれた。  ふたりで色んな種類の前菜を楽しみながら、メインの肉料理に舌鼓を打った。  ときおりメールで会話をしながらだったけれど、正直それも要らないくらいだった。  笑い合えたら、それで幸せだと思った。  だから、ときどき暗い顔をする藤岡さんの様子が、本当に気になった。  食後のコーヒーを飲みながら、私は思い切ってメールを打った。
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