第3話 竹内真帆編③

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『今日、元気ないね。何かあったの?』  私の言葉を見て、藤岡さんの口元から笑みが消えた。彼は考え込むような素振りを見せたあと、返事を打ってくれた。 『実は、真帆に話さなくちゃならないことがある。僕には妻がいる。まだ結婚して1年も経っていない』  私は彼を見つめた。藤岡さんはすぐに次のメールを打った。 『でも、もともと不本意な結婚だったんだ。妻にはめられたようなものだったんだよ。僕が今、本当に好きなのは真帆だけだ。妻と別れて、真帆と人生をやり直したい』  彼の真剣な眼差しを見れば、彼の言葉に嘘はないと思った。  その日の夜は、レストランの入ったホテルに泊まった。  抱かれてみて、改めて思う。  やっぱり、藤岡さんはトキとはまったく違う。  別格の存在だ。こんなに気持ちのいいセックスがあったなんて。これまでの私は何だったんだろう。彼がいれば、それでいい。もう、それで。
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