第3話 竹内真帆編③

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 呆然としていると、しばらくして医者と看護師が現れ、私の様子を確かめ始めた。医者が、藤岡さんに何か話しかけている。彼は医者に頭を下げると、携帯を取出し、何か打ち始めた。  文面を作成すると、私に画面を見せた。 『真帆、目が覚めて良かった。事故に巻き込んでしまってごめん。いずれ分かることだから、先に伝えておくよ。あの事故で、真帆は、両脚を失ってしまったんだ。本当に申し訳ない。僕が、一生真帆のことを支えるから。将来の事は不安に思わなくていいから』  ……両脚を失った?  動かそうと思っても。  もう、その脚そのものが無い?  呆然としている私の脳裏に浮かんできたのは。  アンケート。
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