アイアンバイブル

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10分ほど歩く。よかった。集合場所である街中の巨大なクリスマスツリーの根本に人影はない。・・・・・・いや、いた。 その近くの二人用チェアに座っていた。 ニット帽に少し恥ずかしいがお揃いのマフラー。厚手のカーディガンを着込み、モフモフと柔らかそうな印象だ。 うん、今日も僕の彼女は可愛い。世界一だ。 「やぁ、待った?」 そう言って、隣に座る。彼女は特に驚くこともなく、「今きたところ」と決まり文句を返す。 「それじゃあ行こうか」 すると、 「まだ、もう少しだけ」 「寒くないの?」 「クリスマスツリーをもう少し見ていたいの。明日になったら、年末フェアで片付けられちゃうから」
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